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研究概要
当研究室では、ES細胞(胚性幹細胞:embryonic stem cells)及びiPS細胞(人工多能性幹細胞:induced pluripotent stem cells)を用いて、心血管系の細胞分化・再生に関する研究を行っている。

我々は、ES細胞を用いて中胚葉由来組織である血管および心臓の分化研究を行ってきた。血管は、内腔を一層におおう内皮細胞とそれを外から取りまく壁細胞の2種類の細胞からなり、その中を血球細胞が流れている。内皮細胞増殖因子(VEGF)の受容体の一つであるFlk1は中胚葉のマーカーと考えられている。我々は、ES細胞を用いて中胚葉、さらには血管を構成する細胞(血管内皮細胞と壁細胞)を選択的に分化誘導し、血管としての高次構造を構築すること、いわば血管の発生過程を再現することに成功した(Yamashita, Nature, 2000.)。また、心筋細胞も同様にFlk1陽性細胞から分化誘導することに成功し (Yamashita, FASEB J, 2005)、Flk1陽性細胞を共通の前駆細胞として、種々の循環器系の細胞を系統的に誘導することが可能となっている。さらに、ES細胞研究において蓄積したノウハウを、最近山中伸弥教授によって樹立されたiPS細胞に適用しいち早くマウスiPS細胞を用いた心血管系細胞の分化誘導に成功している(Narazaki, Circulation, 2008)。 この分化系を用いて心臓血管の発生分化のメカニズムを細胞レベル、分子レベルで検討し、その知見を再生医療に応用するための研究を進めている。

 

iPS細胞からの系統的心血管細胞誘導システム

本研究では、再生医療用iPS細胞ストックを使用しています。

再生医療用iPS細胞ストックの使用について

 

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